電脳世界に浮かぶ癒しの島
タイトルイメージ イルカの島 タイトル いつか君たちと話ができることを夢見て ・・・
そして、今新たなる世界へと泳ぎ始める。
水界との絆を求めて、青く、澄みきった・・・
World in Blue!!
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イルカの心

イルカの心
 
ほんの少し物語り・・・
 
はじまり 1999.02.06
 
 青く、蒼く 透き通る海に 今、一つの命が生まれでようとしていた。
 それは、新しく、これからの世界への架け橋になるであろう命
 今、母の体内で、不安とともに外界への扉をくぐろうとしている


 母の、慈しみの感情があふれんばかりに、勇気を出して、でてきなさいと優しく語りかける
 力強い、しかし優しい圧力を感じ 少しだけ苦しいと思った瞬間
 冷たい、今までの温かい液体の感覚とは違う ぴりっとする冷たさが、皮膚を通して、感じられる
 下へ引かれる感じがする、でも何かが、暖かいものが上へと導く
 眩しい、と思ったとき思い切り、呼吸をした 冷たくて気持ちのいいすっきりとした、新鮮な空気を
 そのとたんに、周囲がざわついているのに気がつく
 水音と、鳴き声と、賞賛が・・・
 母がそっと、そばによりそい、乳を飲むように促す
 僕は今やっと、外界を理解した、でも ここは
 イルカの世界
 何かほんの少しだけ、感覚が違う、これは何?
 廻りは水だけの世界、僕が知っている乾いた世界ではなかった・・・
 
仲間と
 
 転生?なんだろうか、この感じ
 でも、ハッキリとはしない、しかし水の感覚は新鮮であるとともに懐かしかった
 何かを忘れているような気がするけれど、思い出せない・・・。
 あれ?なんだ? 生まれたばかりで、思案に暮れるなんてと思うまもなく、つつかれる。
 母と同じような大きさの、でももっと年がいっているような優しい感じのイルカがそっとそばで、みている。水面へ行こうとすると、助けてくれる。
 僕たちは、生まれてすぐに呼吸のために泳ぐ、そして考えることもする。でも、大きな仲間たちが必ずそばにいて助けてくれる。力強い言葉が聞こえてくる。
 「泳げ、吸え、我らが新しい仲間よ」聞こえてくるのは歌声のように、優しく、強く、心地よいメロディー。高く、低く浸みいるようなハーモニー。
 仲間、大きいもの、小さいもの、若いもの、年老いたもの、強いもの、弱いもの、いろいろな仲間がたくさん周囲に群れ集っている。新しく仲間になった僕と同じように最近生まれた幼く弱い兄弟たちを守るように、慈しむように・・・。
 僕は、この群に生まれこの仲間たちとこれから生活していくのだろうか?
 遠くからも、祝いの声が聞こえる。だんだんと数が増えてくる。大きな力が何かを集めるように、しかし、僕の群も泳いでいる。集まるべくところを求めるように。でもゆっくりと、生まれたばかりの僕たちが遅れるようなら速度を落とし、少しは押すようにして泳ぎをサポートしながら、どこかへ向かっている。
 まだまだ、多くの仲間たちと集まろうとしている。
 
記憶
 
 自由なようで不自由さを感じる。動き回るも、呼吸するのも全く自然で問題はないのだけれど、生まれたばかりであるのに、なぜこんなにいろいろなことがわかるのか?
 僕には、生まれたばかりではない昔の記憶があるようだ。重い重力に逆らい、不安定な状態で生活をしていた頃の記憶が。今は、重力からは解放され優しい浮力に支えられ、支えるものはどこにも見あたらないのに、とっても安定していられる。
 この記憶はいったい何なのだろう?断片的にしかよみがえらない記憶はもやもやとした気持ちに拍車をかける。
 そうしている間にも、周囲からは暖かい鳴き声と、慈愛の波動が僕の周りを取り巻いている。何かが僕を探り、不安を取り除こうとしている。仲間達の慈しみの心、僕にもその力の兆しはあるようだが、まだ不十分のようだ。
 青く澄みきった水の中を、明るい白い光が射し込む浅い海の中を仲間達とともに、より多くの仲間達の元に・・・。
 より、水が温かく感じられる頃、いく夜も越えたあとのことだけれど、周囲がざわめきと、騒乱に満ち満ちてきた。僕はまだ、母の乳しかあたえられない、大人達は魚の群にあたり、しばしの空腹を補うために、魚の群へと泳いでゆく。しかし、僕ら幼い子達の周囲にはかならず、数頭の大人が守るように残されていたけれど。
 僕らはしばし戯れ、遊びに費やしていたが、ふと僕は考えてしまう。いったい僕は何だろうと。ほかの子イルカは僕の言うこと、不思議なことを言うやつだというような、おかしな表情をする。僕だけが記憶を持ったまま、生まれてきたのだろうか。
 僕は、イルカ。水の中を自由に泳ぐもの。そして、優しさに満ちあふれた、優しい海の懐で生業をなすもの。
 
イルカの心は→ Dolphin Mind 
イルカの物語は→ Story 最終更新 1999.2.06
イルカの歌は→ Altair 1999.7.07
 
 
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